守進 ※R-18
- pwannex
- 8月26日
- 読了時間: 5分
更新日:8月27日
弟の甘ったるい声を耳元で聴きながら、守はゆっくりと抽送を繰り返す。そのたびに結合部からはローションと体液が溢れて混ざり合い、ぐちゅりと卑猥な音を立てて鼓膜を揺さぶった。
進の中は蕩けそうなほどに温かく、ねっとりと絡みつくような襞が守自身をきつく締めつけてくる。まるで守を離さないと言うような、あるいは形を覚え込もうとしているかのような――
そう思うと背筋がぞくりと震えるほどに興奮する自分がいることに気が付き、守はそれをごまかすようにして自身の熱を何度も弟の奥へと突き入れた。
「にいさん、あっ……ぁんっ……んんっ」
進は腰をくねらせ、守の動きに合わせて鼻にかかった声を上げる。
日に焼けた進の肌はじっとりと汗ばみ、長い髪が額や首筋に貼りついていた。上気した肌と潤んだ瞳はひどく扇情的で、まだ少年らしさを残す普段の進との落差に守はごくりと喉を鳴らす。
「進……愛してるよ」
「にいさん……っ」
守が耳元で囁いて耳朶を食むと、進はびくりと身体を震わせた。
首筋や鎖骨にも口づけを落とし、薄く隆起した胸元を掌で撫でさする。まだろくに触れてもいない膨らみは既に赤く色付き、硬く芯を持って立ち上がっていた。
視線を感じたのか期待からなのか、進は僅かに背を反らして胸を突き出すような仕種を見せる。それを愛らしいと感じてしまうことに罪悪感を覚えつつも、守は求められるままに差し出された突起に指を這わせた。
指先でつつくように乳輪をなぞると、それだけで進は高い声を上げて体を震わせる。もう片方の突起も指で摘みながら押し潰せば、進は耐えきれないといった様子で身体を捩らせた。
「ああっ、にいさ……んんっ……!」
いやいやと首を振りながらも、進はもっとと言わんばかりに守の腕に縋り付く。そんな弟の仕種に腰の辺りがずんと重く疼くのを感じた守は、進の身体を抱き締めて深く自身を打ち込んだ。
「あっ……ふぁっ、ああっ……!」
ぐちゅりと粘着質な水音が響き、守自身を咥えたそこがきゅうっと締まる。その反応から進の限界が近いことを悟った守は、体内のしこりに亀頭をひっかけては擦り上げた。
「ひぁっ、やっ……あっ、あぁあああぁっ……!」
やがて進は一際高い声を上げて白濁液を吐き出した。がくん、と大きく腰が跳ね上がり、体内が守のものを強く締め付ける。その刺激に守は眉根を寄せ、避妊具越しに進の中へと白濁を吐き出した。
「んんっ……はぁ……」
負担をかけないようゆっくりと腰を引くと、その感触だけで感じたのか進は小さな吐息を漏らす。それからぐったりとシーツに身を預け、ぼんやりとした瞳で天井を見上げていた。
まだ快感の余韻が残っているのか、進はときおり「んっ」と吐息を零しながらぴくぴくと身体を震わせている。それがひどく淫猥に見えてしまった守は煩悩を振り払うようにかぶりを振った。
「進……つらくなかったか?」
「はい」
優しく頬を撫でながら問いかけると、進は恥ずかしそうにしながらもこくりと頷く。そんな仕種がいじらしくて、守はたまらずその身体を抱き締めた。
「兄さん、今日はいつもより積極的でしたね。何かありましたか?」
「う……いや、それは……」
自分はそんなにわかりやすいのだろうか。守は気恥ずかしさから口籠った。
「もしかして、僕が何かしましたか?」
「違うんだ。その……お前、また小波とカフェに行っていただろう? だから……」
「あれは野球のアドバイスをしてもらったお礼ですよ?」
進は不本意そうな表情を浮かべながら首を傾げる。
チームメイトである小波は彼にとって後輩にあたる進をいたく可愛がっており、しばしば一緒に本屋やカフェに遊びに行っているようだった。
チームメイトと仲睦まじいのはいいことだし、弟がいじめられるよりは遥かにましなのだが――あまりにも仲がいいがために、守はしばしば不安に駆られてしまう。
わかっている。これは嫉妬だ。進は自分の所有物などではないと理解はしているのに、それでもときおりこうして身勝手な独占欲が顔を覗かせてしまう。
「すまない……」
抱き締める腕に力を込めると、進は小さく笑って守の背中を優しく撫でた。
その心地良さに浸っているうちに、不意に守の唇に柔らかなものが触れる。驚いて顔を上げた守の目の前には、悪戯っぽい笑みを浮かべた弟の顔があった。
「ごんなさい、兄さん。兄さんのこと、可愛いって思っちゃいました」
「進っ……!」
恥ずかしさに頬を赤く染める守をからかうように、進はくすくすと笑いながら守の頬に口づけを落とす。
「嬉しいんですよ。小波さんに嫉妬するくらい、兄さんは僕のことが好きなんだなって思えて」
「当たり前だ……好きだ。愛してる。お前だけを……」
「はい。僕も兄さんだけが好きですよ」
進は目を細めて微笑むと、守の首に腕を回してぎゅっと抱きついた。その背を抱き返しながら、守は再び弟の唇に自らのそれを重ねる。
今度は触れるだけではなく、深く舌を差し入れて絡め取る。進もまた、それに応えるように懸命に舌を伸ばしては絡ませた。
「進……愛してる」
「僕も愛してますよ」
「もう一回言ってくれるか?」
「う……も、もういいでしょう。僕、恥ずかしくなってきました」
「駄目だ。もう一回言ってくれ」
拗ねたように顔を逸らして守から離れようとする進だが、守はそれを許さず腕の中へと閉じ込めてしまう。進はしばらくもぞもぞと動いて抵抗していたものの、やがて諦めがついたのかため息を吐いて守の胸に顔を埋めた。
「兄さん……愛してます」
「ああ、ボクもだよ」
守は満足げに微笑むと、腕の中にいる弟の後頭部に手を添えて抱き寄せる。
数年前までは、弟には自分がついていなければ駄目なのだと思い込んでいたが――むしろ、弟がいなければ駄目なのは自分のほうだったのだろう。不本意なことに、守にそれを自覚させたのはあの小波だったわけだが。
「兄さん?」
不思議そうに首を傾げる進に、守はなんでもないと伝えて小さく首を横に振った。