神←進 ※R-18
- pwannex
- 5月31日
- 読了時間: 4分
ときおり、いや、それなりの頻度で、進は「こんなことは起こらないだろうか」と夢想することがある。
例えば、神童やチームメイト達を招いて手料理を振る舞った晩。ほかのチームメイト達は帰宅し、神童と二人きりでのんびりと晩酌をしているとき、ふいに会話が止まって神童と目が合う。
そこで訝しげに「神童さん?」と首を傾げると、神童が唐突に進の腕を掴んで引き寄せるのだ。進はそのまま神童の胸に抱かれてしまい、何が起こったのかわからず目をぱちくりとしばたたかせる。
まるで絶対に離したくない。そうとでもいうような強い力で抱擁され、進は嬉しい反面で緊張してしまい、ろくに声も出せなくなってしまう。
神童はそんな進の緊張が解れるまでずっと優しく背中を撫でていてくれる。そして進がようやく落ち着いた頃合いで、今度はゆっくりと顔が近付いてくるのだ。
進が「神童さ……」と言いかけるとその唇を唇で塞がれ、そのまま呼吸さえ奪うような激しいキスが始まる。舌を絡ませ、唾液を啜り、口腔内を犯し尽くすようなキスをしながら、やがて神童の手は器用に進のシャツのボタンを外していく。
神童の片手は進の素肌を撫でさすり、もう片方の手で胸をやわやわと揉んでくる。そのうち神童の手は胸を離れ、もっと下に――……
そんなことを空想しながら、進は自身の下肢に手を這わせた。未熟なそこは拙い妄想によって既にゆるりと勃ち上がっている。
「……っふ、あ……しんどうさ……」
進は下着の中に手を潜り込ませて下肢の中心を握り込んだ。それをゆっくりと上下に扱いていくと、どんどん芯を持って上を向いていく。
「あっ……んん……しんどうさんっ……」
神童に抱き締められたい。あの大きな手でここを触られたい。欲望のままに進は手を動かし続ける。目を瞑ると瞼の裏で、神童が優しく微笑んでいるのが見えた。
『進くん』
「あっ……!」
脳内に神童の低くて掠れた声が響く。それに反応するように進の下肢はきゅうっと疼き、自身の先端からとぷりと透明な液を溢れさせた。
「あ、んっ……しんどうさ、ん」
神童の大きな手がゆっくりと下着を引き下ろし、ごつごつとした掌が進の下肢を愛撫してくる。そして『進くん……』と再び声がして、先走りで濡れた指先が進の後孔へと触れた。
『こっちも触って欲しいかい?』
「あっ……やぁ……だめです……」
神童の指がくにくにと皺を撫でるように動き、そのじれったさに進は腰を揺らす。神童はしばらく進の尻たぶを揉みしだいていたが、やがてつぷりと指先が侵入してきた。
「あっ、あ、や……っ!」
『進くん、力を抜いて』
神童は優しく諭すように言いながら進の後孔を解していく。二本に増やされた指でくちゅくちゅと淫らな水音を立てながら抜き差しされ、進はたまらず腰を浮かせた。
「あ、んんっ……! 神童さ……そこ……!」
神童の指がそこを出入りし、ときおり進の感じるところをぐりっと押すように刺激する。そのたびに進はビクビクと内股を震わせ、甘い声を上げて神童に縋り付いた。
「あっ、あ、気持ちいっ……んんっ! しんどう、さんっ……!」
『可愛いよ、進くん』
神童の指が進の後孔をぐちゃぐちゃと犯していく。
気がついた頃には、進は自身の指を三本も後孔に飲み込ませていた。神童と比べれば細い指を精一杯に動かし、根元まで沈み込ませて奥でぐるりと掻き回す。
「んっ、あ、あぁっ!」
刺激に反応した内壁がぐにぐにと蠢き、自身の指をきゅんきゅんと締め付ける。もっと太いものが欲しい。そう懇願するようにうねる肉壁を押し分けて、進は指を動かし続けた。
「あっ……しんどうさ……! しんどうさんっ! イくっ、イッちゃいます……!」
『いいよ進くん。ほら、イってごらん』
神童がそう囁くと同時に、進の脳内でパチンと何かが弾けた。下肢に熱いものが迸り、脳髄まで快楽が駆け上る。
「あっ、あ、んん……っ!」
進は爪先をきゅっと丸めてビクビクと全身を痙攣させた。それが通り過ぎると身体が弛緩し、ぐったりとシーツに沈み込む。
荒く息を吐きながら手を見下ろせば、腹の上にどろりとした体液が撒き散らされていた。掌でそれを掬いあげれば、独特の臭いを放つそれが室内灯を反射しててらてらと光っている。
進はひとつ息をついてゆっくりと指を抜いていく。すっかり解れたそこは未だ寂しげにひくついていた。
神童に抱かれたい。この身体を暴いて、奥までいっぱいにして欲しい。そう思いながら自身を慰めるのはこれで何度目だろうか。
しかし、進のそんな願いをよそに、神童はただ優しい笑みを向けてくる。
僕はもっとあなたに触れたくて、あなたに触れられたくて堪らないんです。でもあなたはいつも優しく微笑むだけで、僕の望みなんてちっともわかってくれなくて。
……あなたの笑顔が僕だけに向けられたものであればいいのに。
進はときおりそう思うことがある。それと同時に、神童がそのような男であれば、きっと自分が神童に惹かれることはなかったであろうことも予測がついた。
「神童さん……」
進はこの場にいない神童の名を呼び、それからゆっくりと目を閉じる。瞼の裏では、神童が優しく微笑んでいた。